「桜鍋」は馬の肉を用いた鍋をいいます。味噌を入れることで、においが消えやわらかいすき焼き風の鍋料理です。
桜は馬の隠語として用いられています。由来のひとつに、「咲いた桜になぜ駒つなぐ、駒が勇めば花が散る」という唄からこの名があるといわれ、駒は馬を指し、江戸時代に編纂された民謡集に収録されています。
「桜煮」という料理には、蛸が用いられます。蛸を醤油や砂糖を入れただし汁で煮含めたもので、桜色に仕上げることからこの名前があります。
「桜湯」に用いられるのは桜の花漬けで、八重桜の花を塩漬けにしたものです。お湯の中で花が開く縁起のよさから、おめでたい婚礼などの席で振舞われます。
「桜餅」は桜の葉に包まれたお菓子で、江戸時代に向島長命寺で売り出されたのが元祖とされています。用いられるのは桜の葉の塩漬けです。桜餅に使われる葉は、大島桜という木の葉でないと香りがないといわれています。