問題例

和食検定は初級レベル、基本レベル、実務レベルの3つのレベルを設けています。それぞれの正解率によって、初級レベルは1級、2級、3級、基本レベルと実務レベルは1級と2級の認定を受けることができます。

  • 対象者
  • 検定のレベル
  • 受験資格
  • 問題例
  • 検定実績
  • 後援団体

問題例

和食検定初級レベルの試験時間は60分で、多肢選択(4択マークシート)形式の問題が100問、基本レベル、実務レベルの試験時間は90分で、多肢選択(4択マークシート)形式の問題が200問出題されます。以下、和食検定の問題例をご紹介します。あなたの知識を試してみましょう。

初級レベル問題例  基本レベル問題例  実務レベル問題例

 

初級レベル問題例

例題1:魏志倭人伝から推測されている3世紀頃の日本について適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 箸を使って食事をしていた
  2. (2) 酒が飲まれていた
  3. (3) 肉食の風習があった
  4. (4) 魚や貝を好み野菜を食べていた
解答:(1)
第1章(テキスト52ページ)からの出題です。
魏志倭人伝(ぎしわじんでん)は3世紀頃の日本の様子が書かれた記録として最古のものとされています。原文には「食飲用籩豆(へんとう)、手食。(食飲には籩豆<たかつきのことで食物を盛る脚の付いた台>を用い、手もて食らう)」とあり、この頃の日本人はまだ箸を使っていなかったと考えられています。
例題2:次の文章の(  )の中に入れる季節に該当するものは、あとのうちのどれですか。
秋刀魚は(  )を代表する魚である。
  1. (1) 春
  2. (2) 夏
  3. (3) 秋
  4. (4) 冬
解答:(3)
第2章(テキスト108ページ)からの出題です。
問題には(  )の中に入れる適切な語句を選ぶというものもあります。
秋刀魚(さんま)は秋を代表する魚のひとつで、秋になると脂ののった秋刀魚が三陸沖から紀州沖へと下っていきます。紀州沖で獲れる頃の脂肪の抜けた秋刀魚からは姿ずしが作られ、和歌山県の郷土料理になっています。
例題3:世界の三大穀物に該当しないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) Rice
  2. (2) Wheat
  3. (3) Corn
  4. (4) Bean
解答:(4)
第3章(テキスト126ページ)からの出題です。
初級レベルは、試験問題100問出題のうちの10問程度が英語を絡めた問題です。主に日本語と英語で解説されている写真やイラストなどからの出題を予定しています。
この問題も写真付きで三大穀物の稲(Rice)、小麦(Wheat)、玉蜀黍(とうもろこし)(Corn)が紹介されています。Beanは蚕豆(そらまめ)や隠元豆、大豆などの豆を指します。

例題4:奈良漬の該当する漬物の種類は、次のうちのどれですか。
  1. (1) 粕(かす)漬け
  2. (2) 醤油漬け
  3. (3) 味噌漬け
  4. (4) 糠(ぬか)漬け
解答:(1)
第4章(テキスト214ページ)からの出題です。
粕漬けは熟成させた酒粕に野菜を漬け込んで作られます。奈良漬けは本来、白瓜を用いたもので奈良県が名産です。粕漬けには奈良漬のほかにも長さが1メートル以上にもなる細長い守口大根から作られる守口漬けがあり、愛知県の特産品のひとつとなっています。
例題5:三大栄養素の適切な組み合わせは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 蛋白質・ビタミン・炭水化物
  2. (2) 蛋白質・脂質・炭水化物
  3. (3) 蛋白質・ビタミン・脂質
  4. (4) ビタミン・脂質・炭水化物
解答:(2)
終章(テキスト242ページ)からの出題です。
炭水化物と脂質、蛋白質は三大栄養素と呼ばれています。炭水化物は穀類や芋類、豆、果物など、脂質は植物油やバター、マーガリンなど、蛋白質は肉、魚介、大豆、卵、牛乳などに多く含まれます。これらにビタミンとミネラルを加えたものは、五大栄養素と呼ばれ、エネルギーになったり体を作ったり、体の調子を整えたりする働きをしています。

基本レベル問題例

例題1:専門料理の説明で適切なものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 鰻は江戸時代から食べられるようになった料理である
  2. (2) 天ぷらは中国から伝来した外来料理である
  3. (3) すしの起源は生成れである
  4. (4) しゃぶしゃぶの鍋の起源は中国の火鍋子である
解答:(4)
鰻は古くは「むなぎ」と呼ばれ、万葉集に出てくるほど古くから滋養豊富な食べ物として食べられてきました。天ぷらは外来料理で言葉自体も外来語です。ポルトガルから伝来しました。すしの起源は馴れずしといわれ、現在でも滋賀県に伝わる鮒ずしがその代表とされています。時代が進むと漬け込みを短くし魚が生のうちに飯と一緒に食べるようになり、これが生(なま)成(な)れといわれるものです。火鍋子は中国の寄せ鍋のことで、鍋には中央に煙突がありその中に炭火を入れるようになっています。これが日本のしゃぶしゃぶの鍋の起源といわれています。
例題2:長寿の祝いのうちで80歳を祝う賀寿に該当するものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 古希
  2. (2) 傘寿
  3. (3) 卒寿
  4. (4) 上寿
解答:(2)
昔は人生50年といわれ長生きは稀で、60歳以降を祝うようになったのは室町時代以降のことです。古希は中国の詩人杜甫の詩の一節「人生七十古来稀なり」に由来した数え年70歳の賀寿、傘寿は傘の略字「仐」が八十と読めることから数え年80歳の賀寿、卒寿は同様に卒の略字「卆」が九十と読めることから90歳の賀寿、上寿は最上位の意味から100歳の賀寿をいいます。
例題3:お造りの説明で適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 刺身と鱠が区別されるようになったのは江戸時代である
  2. (2) 向付は茶懐石から転用され付いた名前である
  3. (3) 刺身は作り身に魚のひれを差したことから付いた言葉とされている
  4. (4) つまやけんは刺身を引き立てるためのもので食べるものではない
解答:(4)
お造りは生の魚を酢で食べる鱠から始まり、江戸時代に醤油が普及すると、醤油で食べるお造りと酢で和える鱠が区別されるようになりました。向付は茶懐石で出されるお造りが、ご飯と汁の向こう側に置かれた(付けられた)ことから付いた名前です。刺身という漢字は作り身にその魚の鰭を刺したことから付いたとされています。刺身にはつまやけん、辛味が欠かせません。これらは刺身の盛付けを助けたり、彩を添えたりするものとして欠かせないものですが、また口の中の生臭さを消したり、殺菌効果があったり、味や香りを引き立てる効果もあり、見た目の良さだけを楽しむために添えられているわけではありません。
例題4:中国料理のマナーについて述べたもので適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 汁そばの汁は散蓮華ですくって音を立てずに飲む
  2. (2) 北京ダックは手を使って食べる
  3. (3) 取り皿は手に持って食べる
  4. (4) 取り皿は料理ごとに変えるのがマナーである
解答:(3)
中国料理では料理が終わるとご飯、粥、汁そばのいずれかが出されます。汁そばは麺を箸で引き上げ、左手で持った散蓮華にのせて汁がたれないようにし、汁は散蓮華ですくって音を立てずに飲みます。北京ダックや饅頭などは手を使って食べます。また1枚の取り皿に2~3品もの料理を載せるのは非礼とされており、油を使う料理が多く味が混ざりやすいため、取り皿は料理ごとに取り替えます。器では、中国料理で手に持ってよいのはご飯茶碗と箸、散蓮華だけです。料理の皿や取り皿は置いたまま食べるのがマナーになっています。
例題5:お客様にメニュー等をお渡しするときに添える表現として適切なものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) Here you are.
  2. (2) This is you.
  3. (3) Given to you.
  4. (4) Receive it please.
解答:(1)
「Here you are」は何かをお渡しするときに「どうぞ」という意味で使う定型表現 です。メニューを手渡したり、料理をお客様に提供するときに言い添えます。"This is your ○○(料理名)"のように、料理名を伝えながらお出しする場合もあります。

実務レベル問題例

例題1:サービスの方法の説明で適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 3名でご利用のカウンター席では中央の最上席からサービスする
  2. (2) 座敷では跪座または正座での動きを徹底する
  3. (3) 座敷席では床の間の前は横切ってはいけない
  4. (4) 個室に入ったら入り口は閉めずに開けたままサービスする
解答:(4)
カウンター席では2~3名でのご利用が多く、3名でのご利用であれば中央席が最上席となり、その隣で入り口から遠い席が第二位、入り口側の席が第三位となり、サービス順序もそれに倣います。
座敷では、立ったままだとお客様を見下ろすことになってしまうため、低い姿勢を心がけ跪座や正座での動きを徹底します。
床の間は神様が宿る神聖な場所とされてきたため、床の間のある座敷では床の間の前を横切らないようにします。
個室はプライベートな空間としてご利用いただくための部屋ですから、外から中が見えたり、声が漏れないようにする必要があります。入り口は閉めて開けっ放しにしないようにします。
例題2:器の基本的な約束事について適切なものは、次のうちのどれですか
  1. (1) 片口は口が右側になるように置く
  2. (2) 三つ足は鼎1本が手前に来るように置く
  3. (3) 綴じ目のある丸型は綴じ目が向こう側になるように置く
  4. (4) 六角形の器は角が手前になるように置く
解答:(2)
片口の器は口の部分が左を向くように置くのが基本です。三つ足は奥が2本、手前が1本になるように置きます。綴じ目のある丸型は綴じ目を手前、方形の器では綴じ目を向こう側にして、綴じ目のない面が正面となります。六角形の器は角の部分が手前にならないように、平らな部分が正面になるように置くのが基本です。
例題3:結納のお席でのサービスについて適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 分かれる、終わるなどの言葉を使わないようにする
  2. (2) 茶菓を出すときには一口で食べられるものを出すようにする
  3. (3) 結納式では仲人を上座に案内する
  4. (4) 椿の花は飾らないようにする
解答:(3)
祝儀、不祝儀の席では使わないほうが良い言葉があります。結納などの祝儀の席では切れる、壊れる、流れるなどの言葉も使わないようにします。同様に茶菓を出すときには、割ったり切ったりしなければならないような大きさのものは出さないのが約束です。
結納式では一般的に主役の新郎新婦を上座の主賓席、仲人夫妻は下座に案内し、仲人夫妻の労をねぎらい両家の結びつきを祝う結納式後の祝宴席では、仲人夫妻を主賓席に案内します。
祝儀の席では縁起の良さがとても重要です。椿の花は花が首から落ちるため、縁起を担いで飾らないようにします。
例題4:損益分岐点について述べた中で適切でないものは、次のうちのどれですか。
  1. (1) 損益分岐点とは総売上高から総経費を引いたときに利益が出る売上高のことをいう
  2. (2) 損益分岐点は「固定費÷(1-変動費÷売上高)」で求められる
  3. (3) 目標とする利益を確保するために必要とされる売上高は、損益分岐点から求めることが出来る
  4. (4) 損益分岐点を知るには、様々な経費を固定費と変動費に分けることが必要である
解答:(1)
損失も利益も出ない分岐点となる売上、すなわち総売上高から総経費を引いたときにゼロになる売上高を損益分岐点といいます。損益分岐点は「固定費÷(1-変動費÷売上高)」で求めることが出来、また確保したい利益を出すために必要な売上高も計算することが出来ます。公式からも分かるように損益分岐点を知るには、まず総経費を固定費(売上に関わらず一定の金額がかかる家賃等の経費)と変動費(売上に比例して増減する材料費等の経費)に分ける必要があります。
例題5:次の内容とほぼ同じ意味の日本語の表現で適切なものは、あとのうちのどれですか。
Use your left hand to lightly support the chopsticks from below.
  1. (1) 左手で箸を下からしっかりと握ります
  2. (2) 左手で箸の先端に軽く触れます
  3. (3) 左手で箸の先端をしっかりと支えます
  4. (4) 左手を箸の下に軽く添えます
解答:(4)
箸の取り扱い方に関する問題です。"light"は「軽く」、"below"は「下」を表すことが本問題理解のポイントです。外国人の方に対しては、話して説明するだけでなく、実際にやってお見せすると理解しやすいでしょう。