五穀豊穣は日本の豊かな実りを表した言葉で、麦は五穀の1つに挙げられています。
麦類には、小麦、大麦、ライ麦、マカラス麦(燕麦:えんばく)があり、日本ではこれらを総称して麦といいますが、英語には麦を指す言葉はなく、小麦であればwheat、大麦であればbarleyという単語が用いられます。
小麦は世界で最も生産量の多い穀物で、主にパンやパスタなどの原料として用いられています。小麦はグルテンという粘り気のある物質を含みますが、大麦はこのグルテンを含んでいません。
大麦は、日本では古くから水田裏作として栽培され、主要な食用穀物として麦飯や麦こがし(大麦を炒って焦がし、挽いて粉にした物)などに利用されてきました。麦味噌やビール、水あめの原料でもあります。
また夏の水分補給といえば冷たい麦茶ですが、この麦茶も炒った大麦を熱湯で煮出して作ります。麦茶は江戸時代には麦湯屋ができるほどに普及したといわれています。(2017年6月)