関西で関東焚きとも呼ばれているおでんは、田楽が語源といわれ、「おでんがく」が略されて「おでん」になったといわれています。田楽という名称は14世紀に既に記録のある歴史の古い料理で、豆腐を串に刺して焼いて味噌をつけたものが始まりとされています。
その後蒟蒻や茄子、里芋なども用いられるようになり、魚の田楽は魚田(ぎょでん)と呼ばれました。
江戸時代中期以降、味噌で煮込むようになったと考えられていて、屋台料理として広まりました。
煮込み田楽、つまりおでんが江戸で一般化したのは江戸時代末頃といわれ、醤油味になったのもこの頃からといわれています。
おでん種の一つはんぺんは、白身の魚に山芋のすりおろしなどを加えて形を整え、茹でたり蒸したりしたものです。
その語源は、鱧(はも)の肉で作るので海鰻餅(はんべい)からとも、椀の蓋の半分にすり身を詰めて半円型に作ることから半半(はんへい)というともいわれ、また駿河の半平(はんぺい)という人が作り始めたのでという説もあります。
通常のはんぺんは白色ですが、静岡のおでんには、鰯や鯖を主原料にした灰色の黒はんぺんが使われます。