鰤は成長するごとに名前を変える出世魚で、縁起のよい魚といわれています。
地域によって成長段階の呼び名に違いがあり、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと呼びますが、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリとなります。
天然の鰤の旬は冬で、12月頃からの脂の乗った鰤は寒鰤と呼ばれます。特に富山湾の寒鰤は有名で、富山では12月から1月にかけての雷鳴は大漁の兆しとされ、鰤起こしと呼ばれています。
江戸時代には富山で獲れた鰤は、高山を経て信州松本まで運ばれました。この輸送路は鰤街道と呼ばれています。越中鰤とよばれた富山湾の寒鰤は、信州に運ばれ飛騨鰤と呼ばれました。鰤を歳とり魚といって、年越しの祝いに用いる地域もあります。(2013年掲載)