葱は日本で古くから食用されており、古くは「き」という一文字だったことから「ひともじ」と呼ばれていました。
葱に含まれる特有の香りや辛味の成分は、体温を温めて血行を良くしたり、食欲を増進させるなどの効果があります。
葱は利用する部位によって、根深葱(ねぶかねぎ)と葉葱(はねぎ)の2種類に大別されます。根深葱は白く太い部分を用いる長ネギや白ネギといわれるものです。葉葱は青い部分の多い細身のネギで京都の九条葱が有名です。東日本では根深葱、西日本では葉葱が好まれるようです。
根深葱は冬場の寒さで糖分が増して甘く美味しくなり、すき焼きなどに欠かせません。
白葱と鮪(トロの部分)を組み合わせた鍋や煮物料理が「ねぎま」です。また鴨肉と葱の組合せは、鍋物や焼き物の定番です。鴨が葱を背負ってくるという言葉は、鴨鍋に葱までとはますます以ってお誂え向きであるということをいいます。
また葱を使った料理名に難波(なんば)が使われますが、これは大阪の難波地区が昔は葱畑だったことに由来するといわれています。(2014年掲載)