秋鯖と呼ばれるように、秋が深まると鯖は脂がのって旨味が増し旬を迎えます。
鯖には旨味成分であるヒスチジンという物質が多く含まれていますが、鯖が死ぬとこのヒスチジンが短時間で大量にヒスタミンというアレルギーの原因物質のひとつに変化します。
見た目は新鮮そうで腐敗臭がなくても、実際には腐敗が進行して有害物質を持っていることがあるので、鯖の生き腐れなどともいわれます。
このように鯖は鮮度が落ちやすいため、塩と酢で締める調理法が多く用いられますが、この締鯖は、脂ののった鯖の旨味を最大限に引き出す調理法でもあります。
締鯖を用いた棒鮨は、その形がポルトガル語で小舟を意味するバッテーラに似ていることから、バッテラといわれるようになりました。
味噌には鯖など脂ののった青魚の生臭みを消す効果があり、味噌煮などの調理法もよく用いられます。
船場汁(せんばじる)は、大阪の商業の中心地でもあった船場という地域で作られていた汁物で、塩鯖と大根などを煮込んで作られるお惣菜です。(2013年掲載)