上巳の節供は五節供のひとつで3月3日の年中行事です。ひな祭り、桃の節供などとも呼ばれています。
上巳とは3月初めの巳の日を指し、この日の古代中国での災厄よけをする風習が日本に伝わると日本の禊の風習と結びついて、身の穢れを紙の人形に移して流すという流し雛が行われるようになったとされています。
現在のように雛人形を飾るようになったのは江戸時代になってからのことです。雛人形は1段目に内裏雛(だいりびな)を飾ります。内裏とは天皇の住む御所を指し、雛とは小さい人形の意味です。内裏雛は天皇、皇后の姿をかたどった一対の人形のことをいいます。
多くは向かって左側に男雛、右に女雛を飾りますが、左上位の名残をとどめて今でも右に男雛、左に女雛を飾る地域もあります。
紙で作った流し雛のように川に流せない雛人形は、節供が終わったら厄払いのために早くしまわなければならないとされています。お嫁に行き遅れるなどとよく言われるのも、雛人形の本来の姿が人間の穢れを移した形代であることから、いつまでも身近に置かないようにという言い伝えによります。(2013年掲載)