鱈は日本では雪の降り始める頃から獲れて美味しくなる、雪のように白い身を持つ魚です。鱈類はヨーロッパを初め世界中で食べられています。
日本近海で獲れる鱈は、真鱈(マダラ)と介党鱈(スケトウダラ)などです。真鱈のほうが介党鱈よりも美味しいとされ、ちり鍋などには真鱈が用いられます。介党鱈の鮮魚は肉に水分が多いため竹輪や蒲鉾などの原料として使われています。
棒鱈は棒状にした鱈を素干しにした保存食で、海老芋と一緒に炊き合わせた芋棒は京都の郷土料理として有名です。
真鱈の白子はその形が似ていることから菊子や菊腸(きくわた)、雲子(くもこ)と呼ばれています。鱈子は介党鱈の卵巣(卵)です。明太子はこの鱈子に唐辛子などで味付けして作られます。
鱈は多良でよいことが沢山ありますようにという縁起を担ぎ、またたらふく(多良福)食べられるという喜びに繋がるとして、正月などのお祝いにも用いられます。
鱈はイギリスで親しまれているフィッシュ&チップスの材料でもあります。鱈をめぐってはイギリスとアイスランドとの間で、漁業権の争いの起こったことがあり、その主な海産物が鱈であったことからタラ戦争と呼ばれています。(2013年掲載)